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朱熹門人集団形成の研究(東洋学叢書)

シリーズ:東洋学叢書

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商品説明

本商品は「旧ISBN:9784423192542」を底本にしたオンデマンド版商品です。
初刷出版年月:2002/03/01
叢書・シリーズ名:東洋学叢書

朱子学は明清時代の科挙体制を支えた学問として強固なイメージをもつ。しかしその形成過程の現場から見ると、朱熹の言説は彼の同時代の交遊者・門人との共同作業の産物であり、朱子学とは南宋士大夫の社会的心性に支えられて成立したものであった。本書は、朱子学形成の原点としての朱熹思想とその一次受容者との関係を、『朱子語類』のみならず文集の書簡資料にも注目し、大量に残る書簡群を年次・宛人等ごとに綿密に解析することにより究明する。この学の官学化以前における士人と地域社会の関係に光を当てて、宋代思想史・社会文化史研究の新たな地平を開く画期的業績。

中国明清時代の科挙体制の中での体制教学というイメージが強い「朱子学」。歴史的認識に立ち、この学問が「ない」状態から「ある」状態に至った理由と経緯を、朱子の交遊者や門人との思想交渉の現場に戻って探究する試み。

【目次】
凡例
序説
第一篇 朱熹思想形成の場 北宋末南宋初の〓北程学
第一章 北宋末における程学の展開
第一節 程門初伝と二程語録資料
第二節 陳淵の思想 北宋末南宋初における道学継承の一様態
第二章 南宋初の程学と〓北における朱熹
第一節 〓北における朱松と朱熹 程氏語録資料の収集をめぐって
第二節 朱熹の「雑学弁」とその周辺
第二篇 朱熹門人・交遊者の朱熹思想理解
第一章 四十代までの朱熹とその交遊者達
第一節 福建における朱熹の初期交遊者達
第二節 何鎬と朱熹 福建初期交遊者の朱熹説理解
第三節 廖徳明 福建朱熹門人従学の一様態
第二章 乾道・淳煕の学 地域講学と広域講学
第一節 乾道・淳煕における士大夫思想交流
第二節 朱熹・呂祖謙講学論
第三節 浙東陸門袁燮と朱熹
第三章 五、六十代の朱熹とその門人、交遊者達
第一節 朱熹五、六十代の門人、交遊者達
第二節 呂祖倹と朱熹 朱熹広域講学の展開
第三節 陳文蔚における朱熹学説の受容
第四節 朱熹祭祀感格説における「理」 朱門における朱熹思想理解の一様態
第五節 朱熹晩年の朱門における正統意識の萌芽 呂祖倹と朱熹・朱門の講学を事例として
結びに
あとがき


著者
市來 津由彦(イチキ ツユヒコ)
1951年生まれ。中国思想研究者。二松学舎大学教授。東北大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学(中国学専攻)。文学博士(大阪市立大学)。
著書に、『朱熹門人集団形成の研究』などがある。

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