創文社オンデマンド叢書

存在の光を求めて

ガブリエル・マルセルの宗教哲学の研究 I

小林 敬 (著者)
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商品説明

本商品は「旧ISBN:9784423300978」を底本にしたオンデマンド版商品です。
初刷出版年月:1997年

実存理解と宗教信仰を結節させ「実存から存在へ」を究極目標とした彼の哲学に光をあてる。
20世紀フランスに生きた哲学者・劇作家、ガブリエル・マルセル(Gabriel MARCEL,1889‐1973)について、その思想とキリスト教(カトリック)信仰とをめぐって、著者なりの解釈を施しつつ、その一側面を論じようとするものである。


【目次より】
まえがき
マルセル著作略号一覧
第一部 実存から信仰ヘ
第一篇 カミュの無神論について
はじめに ただ神を「信じない」だけか?
第一章 『ペスト』以前に見る「非合理な神」 第二章 『ペスト』に見る「暴君」としての神 第三章 カミュは「二〇世紀のヨブ」か? おわりに 「贖罪」の欠如
第二篇 サルトルの無神論について
はじめに 神など「どうでもよい」のか? 第一章 『存在と無』に見る「即自にして対自」なる神 第二章 自伝『言葉』に見る「宗教の代用品」 第三章 「代用の神」はサルトルを救ったか? おわりに 「神なきクリスチャン」の遺産
第三篇 マルセルの回心をめぐって
はじめに カミュでもなく、サルトルでもなく 第一章 神の予感 第二章 神への回心 第三章 「哲学」か?「神学」か? 第四章 「前神学」的な哲学として むすびを兼ねて
第二部 信仰と哲学
第一篇 「問題」と「神秘」
はじめに マルセルは「神秘主義者」ではない 第一章 「問題」の概念 第二章 「問題」の限界 「私がある」ということ 第三章 「超問題」即ち「神秘」の概念 第四章 「神秘」と「反省」(第二次的反省) おわりに 「啓示」への接近
第二篇 「神の存在証明」を超えて
はじめに 回心者マルセルはスコラ的立場に転じたのか? 第一章 マルセル回心時の背景 トマスからマリタンまで 第二章 マルセルの立場(一) 「証明」とは何か? 第三章 マルセルの立場(二) 「神」は証明されうるか? 第四章 マルセルの立場(三) なぜ先人は「神」を証明せんとしたか? おわりに 「自然」と「恩寵」の間
第三部 「前神学」的な宗教哲学
第一篇 パスカルとマルセル
はじめに 「自分で思っているよりも近い……」 第一章 「人間の本性」 第二章 「救済の希求」 第三章 マルセルは「護教論」を避けるのか? おわりに 方法の相違を超えて
第二篇 マルセルとブーバー
はじめに 「我ー汝」論の二人の提唱者 第一章 「我」と「汝」  第二章 「絶対の汝」・「永遠の汝」 第三章 ブーバーに比べてのマルセルの「前神学」的傾向
おわりに 地上の「汝」と天上の「汝」との類比あるいは相補性
第三篇 マルセルとプロテスタント信仰
はじめに 再び「回心」をめぐって 第一章 幼児期のプロテスクント体験 第二章 成人後のプロテスクント体験 第三章 なぜプロテスクントとはならなかったのか? 第四章 カトリシズムだけしか認めなかったのか? おわりに 教派を越えた宗教哲学者
第四部 存在の光を求めて
第一篇 「不安」と信仰
はじめに 「不安」の概念自体の検討に先立って 第一章 『形而上学日記』における「不安」の概念の形成過程 第二章 『存在と所有』における「不安」の概念の形成過程 第三章 『存在と所有』からPosition et approches……への発展と「不安」 おわりに


著者
小林 敬(コバヤシ ケイ)
哲学者。酪農学園大学教授。博士。
著書に、『存在の光を求めて』『人間の絆を求めて』などがある。

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