創文社オンデマンド叢書
日本国家思想史研究
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商品説明
本商品は「旧ISBN:9784423730249」を底本にしたオンデマンド版商品です。
初刷出版年月:1982/06/30
国学思想の真理と論理の展開を江戸から戦後までの思想史と政治史の動態の中で考察し日本国家の正統思想とは何かを鋭く問いかける。サントリー学芸賞受賞。
江戸時代の水戸学、国学から説き起こし、第二次大戦後の「日本国憲法」成立後の現代まで、法学の泰斗が日本人の国家観を精査する。
【目次より】
I 法思想における「国体論」
1 法思想における「国体論」
一 「国体論」の生成と終焉
二 水戸学と国学
三 明治維新と「国体論」
四 国体と政体
五 上杉慎吉と筧克彦
六 「国体明徴」
七 「一億玉砕」
2 騎馬民族説と「国体論」
一 英雄・非常時・神話
二 政治神話としての「国体論」
三 「国体論」と記紀神話
四 騎馬民族説と国学
五 騎馬民族説と天皇機関説
3 日本社会と法
一 日本人の訴訟嫌い
二 中国人の訴訟嫌い
三 不足主義と最悪事態観
四 清く明き心
五 「タテ社会」論
六 縁社会
七 結び
II 政治の中の憲法
1 昭和前期の法と政治
一 概観
二 「満蒙の危機」(一)
三 「満蒙の危機」(二)
四 法廷闘争
五 満洲国における王道・覇道・皇道
六 「東亜新秩序」
七 「国防国家」
八 天皇制と天皇
九 現代よりの回顧
2 憲法論争の幕切れ
一 宮沢俊義の改憲消極論
二 美濃部達吉の改憲消極論
三 美濃部の反象徴天皇制論
四 宮沢の「八月革命説」
五 最晩年の美濃部
3 「八月革命説」ノート
一 ポツダム宜言
二 八月―一日連合国回答
三 「権限通達」
四 日本国憲法
五 日本側の対応
六 「八月革命説」
4 ワイマール体制と戦後民主主義
一 昭和二十一年の危惧
二 ヴニルサイユとポツダム
三 小党分立
四 ワイマールの轍?
五 ファシズム 情念の支配
III 国学研究覚書き
1 『国意考』ノート
2 宜長考
3 国学と上代日本
あとがき
■
著者
長尾 龍一(ナガオ リュウイチ)
1938年生まれ。東京大学名誉教授。法学者。東京大学法学部卒業。専門は、法哲学・政治思想史・憲法思想史。
著書に、『ケルゼンの周辺』『日本法思想史研究』『思想史斜断』『遠景の法学』『法哲学入門』『日本国家思想史研究』『アメリカ知的冒険旅行』『アメリカ知識人と極東』『大道廃れて』『カール・シュミットの死』『政治的殺人』『神と国家と人間と』『法学に遊ぶ』『リヴァイアサン』『日本憲法思想史』『思想としての日本憲法史』『憲法問題入門』『法学ことはじめ』『西洋思想家のアジア』『文学の中の法』『争う神々』『純粋雑学』『されど、アメリカ』『法哲学批判』『ケルゼン研究』『古代中国思想ノート』『オーウェン・ラティモア伝』『ケルゼン研究II』『ケルゼン研究III』などがある。