創文社オンデマンド叢書

唐代の思想と文化(東洋学叢書)

西脇常記 (著者)

シリーズ:東洋学叢書

¥ 8,800 (本体: ¥ 8,000 + 消費税: ¥ 800)
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商品説明

本商品は「旧ISBN:9784423192504」を底本にしたオンデマンド版商品です。
初刷出版年月:2000/10/01
叢書・シリーズ名:東洋学叢書

唐代は伝統的儒家思想が衰え、仏教と道教が知識人の思想の中に浸透していき、従来の思想史=経学史という枠組みでは、捉え切れない時代である。著者はその枠組みを見直し、資料の枠を拡大して、自伝や遺言など個人の自己表白や人間関係を通してその時代の精神風土を明らかにする。新しい視点と、墓誌銘や僧伝など思想史研究では見落とされていた新しい資料を駆使して、唐代知識人の文化的側面に総合的な光を当てることにより、唐の思想と文化を全体的に解明した問題作。

【目次より】

第一部 劉知幾と『史通』
第一章 劉知幾の歴史意識
はじめに 第一節 中国における自叙 第二節 劉知幾の自叙 第三節 歴史意識 第四節 史官の理念
第二章 劉知幾 史評者の立場
はじめに 第一節 「衣冠乗馬議」 第二節 随時と師古 第三節 二つの随時 第四節 高次の随時 第五節 『史通』における師古の世界
第三章 宋代における『史通』
はじめに 第一節 『史通』への信頼 第二節 唐末宋初の『史通』批判 妄りに聖哲を誣し 第三節 宋代の知識層と『史通』 第四節 僧伝の変革と『史通』の影響 第五節 張唐英の劉知幾批判 何ぞ聖人を評するの甚だしきや 第六節 史才三長説と五不可論の浸透 第七節 『史通』受容の意味
第二部 中唐の思想
第一章 権徳輿とその周辺
はじめに 第一節 道士の宇宙観 第二節 士大夫の性論 第三節 人間観の模索 第四節 学びの可能性
第二章 『陸文学自伝』考
はじめに 第一節 自伝の伝統 第二節 隠逸者の自伝 第三節 陸羽の自伝 第四節 自由人の思想
第三章 劉禹錫の思想
はじめに 第一節 詩僧との出会い 第二節 江左に集う士大夫 第三節 友人呂温 第四節 思想と背景 第五節 自叙
第三部 習俗
第一章 唐代の葬俗 特に葬法について
はじめに 第一節 火葬 第二節 水葬 第三節 林葬 第四節 土葬 第五節 仏教界と俗界
第二章 『千唐誌斎蔵誌』に見える唐代の習俗
はじめに 第一節 俗人の火葬 第二節 寺院での権葬、あるいは死 第三節 遷葬と改葬 第四節 唐代の風水思想 第五節 士大夫の仏教信仰 第六節 道士の墓誌
第三章 舎利信仰と僧伝『禅林僧宝伝』の理解のために
はじめに 第一節 仏舎利信仰について 第二節 高僧舎利信仰へ 第三節 『禅林僧宝伝』の叙述
第四部 遺言
第一章 古代中国の遺言 その形式面よりの概観
はじめに 第一節 中国人の文章観と死生観 第二節 遺言の呼称 第三節 喪葬儀礼における遺言 第四節 遺言作成の時期 第五節 遺言の方法・手段 第六節 遺言の相手
第二章 韓愈の遺言をめぐって
はじめに 第一節 韓愈の臨終 第二節 儒者として 第三節 仏教の喪葬儀礼とその中国化 第四節 神道碑と墓誌 第五節 白居易と傅奕の自撰墓誌 第六節 宋儒の自撰墓誌 第七節 韓愈の遺命の意味
あとがき


著者
西脇 常記(ニシワキ ツネキ)
1943年生まれ。中国学者。京都大学名誉教授。東京教育大学哲学科卒業、京都大学大学院中国哲学専攻博士課程中退。文学博士。
著書に、『唐代の思想と文化』『ドイツ将来のトルファン漢語文書』『イスタンブール大學圖書館所藏トルファン出土漢語斷片研究』 『中國古典社會における佛教の諸相』 『トルファン出土漢語文書研究』 など、
訳書に、E・H・シェーファー『神女 唐代文学における龍女と雨女』 班固 『漢書郊祀志』『史通内篇』 『史通外篇』などがある。

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