創文社オンデマンド叢書
トマス・アクィナス哲学の研究
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商品説明
本商品は「旧ISBN:9784423170236」を底本にしたオンデマンド版商品です。
初刷出版年月:1970年
トマス哲学の根底に潜む「存在の経験」をつきとめ、その経験を徹底することが神や精神への形而上学的探究を促している構造を解明する。
【目次より】
第三刷まえがき
まえがき
引照著作および略号
目次
序論
第一章 トミズムの形成 中世経験論の成立過程
一 視点
二 トマスの認識観の成立
(イ)アウグスチヌスの照明説 問題点 (ロ)アウグスチヌス『教師論』における照明説 (ハ)トマスの教師論における認識観の新しい展開 (ニ)トマスにおける照明説と能動知性説 (ホ)アルベルトゥス・マグヌスとボナヴェントゥラにおける照明説 (ヘ)トマスの真理論
三 トマスの存在観の成立
(イ)アウグスチヌスの存在観 (ロ)アンセルムスの存在観 (ハ)トマスの存在観
第二章 神学と哲学
一 トマスにおける「哲学」の問題
二 トマスおける哲学と神学
三 トマスおける哲学の概念
第一部
第三章 認識と存在
一 二つの存在観
二 判断と存在
三 形相と存在
四 存在と創造
第四章 認識の対象
一 対象の二重性
二 対象とはなにか
三 認識の対象
四 事物の本性と有(ens)
五 判断と認識の対象
六 超越的対象の認識
七 結語
第五章 親和性(connatualitas)による認識
一 全体的な認識観
二 親和性
三 親和性と判断
四 倫理的認識と親和性
五 英知(sapientia)と親和性による認識
第六章 能動知性と存在
一 問題
二 能動知性の役割
三 能動知性の「光」
四 能動知性と有(ens)の観念
五 能動知性と第一原理
六 能動知性と自己還帰
七 自己還帰と自己超越
八 結論
第七章 普遍の問題
一 普遍の問題
二 普遍と本質 従来のトマス解釈
三 普遍と抽象
四 普逼の実在
五 普遍と存在
第八章 心身論
一 トマス心身論の基本的立場
二 トマスの心身論における信仰と経験
三 トマスの心身論の背景
四 トマスの立場
五 合一と超越
六 中間者としての人間
七 人間の「存在」と創造
第九章 存在と類比 「経験」の論理としての類比
一 経験主義の論理
二 per prius et posterius
三 res significataとmodus significandi
四 隠れたる神
五 存在の経験と類比
第二部
第十章 倫理学における理性
一 問題
二 倫理の領域と理性
三 倫理的認識と理性
四 結論
第十一章 善の観念
一 善の種々の意味
二 有(ens)と善(bonum)
三 善そのもの
四 全的なる善(bonum universale)
五 至福(beatitudo) アリストテレスとの比較
六 倫理的善
第十二章 倫理的経験としての自然法
一 自然法の種々なる意味
二 実践的第一原理
三 自然法の存在
四 自然的認識
五 人間的善
六 書かれざる法
結論
第十三章 経験主義と形而上学
一 トマスと経験主義の問題
二 トマスの経験主義
三 第一原理とアプリオリズム
四 判断と存在(esse)
五 存在と経験
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著者
稲垣 良典(イナガキ リョウスケ)
1928年生まれ。東京大学文学部卒業。アメリカ・カトリック大学大学院哲学研究科にてPh.D.を取得。文学博士(東京大学)。九州大学名誉教授。専門は中世スコラ哲学。『神学大全』翻訳で第67回毎日出版文化賞、『トマス・アクィナスの神学』および『トマス・アクィナス 「存在」の形而上学』で第27回和辻哲郎文化賞をそれぞれ受賞。